円環少女祝宴本~悪鬼のための栞~Blog版

C88で頒布した同人誌『円環少女祝宴本~悪鬼のための栞~』のBlog版です。

穴埋め企画/TOP3落ち名シーン

【TOP3落ち名シーン】

 空白穴埋め企画として惜しくもTOP3に漏れてしまった名シーンを140文字程度で上げてゆきます。

◆「強敵とは距離をとれ」1巻/P132

 宿題も手を一杯に伸ばして持ってみればなにか思いつくかもしれない。現実離れした美人のはずだが成績はかなりイマイチ、という神和の意外性に対してベタにゆるい感じのきずなである。

◇「神を広めてしまった罪」1巻/P150

『《奇跡》に見捨てられているのに《神の存在を広めてしまった罪》の重さにおののきました。』という神音大系の思考。神の存在を敬虔に信じる人間に対して、この上から来る目線のニコライの物言い。そりゃ、仁じゃなくても激おこしちゃう。この長谷先生のドM感性/SF思考/ロジカルシンキングが大好きです。

◇「刻印魔導師でも、刻印魔導師でなくても、戦わなきゃ自由になんてなれるわけないでしょ!」2巻/P214

 メイゼルが《人形師》・綾名ネリンに対してぶつけた魂の一言。長谷先生は何を思ってこんなシーンを……。こんなこと小学生に言われたいの?小学生にこう言われた大人は何を思えばいいの?

◆「倉本きずおです」/3巻P32

 神和家管理になったメイゼルの様子を見に来たきずなだが、瑞希のただの友人なら口を出すなと言われる。瑞希はきずなと交際していると嘘をついて乗り切ろうとするが(この時点でおかしい)、きずなはそれに火をつけてしまう。なお、単発ネタかと思いきや短編集で拾われるのでびっくりである。

◆「カレー……奇跡…起こすから」4巻/P55

 十分な量のスパイスの配合は、地獄にあってもメイゼルの自由な食材選びに負けない奇跡をもたらすのだ! という一幕はここだけ切り出しても面白いのだが、仁が公館をクビになっても(NPO活動編)同じ展開があるのだ、なんと。


◇「憎むな、殺すな、ゆるしましょう!」6巻/P362

 核テロを仕掛ける国城田を止めるべく、顔に白タオルを巻き、スクーターで地下鉄に乗り込む寒川父の勇姿を見ろ! 円環少女読者なら、忘れもしない名場面のうちの一つ。

◇「十崎京香流組織のあり方」8巻/P14

『私が個人的に信用できなくても良いのです。組織とは、よいものも悪いものも、まじめなのも不真面目なものも載せて動くためにあります。』
 長谷敏司/あなたのための物語、長谷敏司BEATLESSなどにも登場する組織のあり方の基盤となる考え。組織には良い人間、悪い人間が潜在的に存在し、組織が一人の人間のために動けなくなる状態になるようであれば、それを組織から切り離さざるを得ない。酷くシンプルだが、心に染み入るような冷徹な一言。

◆「ほめてほしい?ベルニッチ」9巻/P75

 鬼火狙撃の隠れ場所として、仁を魔法使いの流儀で作られた観測部屋に案内したベルニッチ。確かに狙撃にもってこいの場所だったが、ついベルニッチをからかってしまう仁だった。あるいはベルニッチもなかなかのドヤ顔を決めていたのかもしれない。

◆「人口稲妻が遅い領域」10巻/P193

 人工稲妻は超高位魔導師の世界では遅いのだという。だからグラフェーラはレーザーで光速で攻撃するというわけだ。ここの戦闘シーンでは他にも円環大系の強みを単純火力ではなく電磁気的に極限状況を作り出し利用できる点と説明するなど、これまでの戦闘とは全く異なる駆け引きが描かれる。

◇「浅利ケイツG」11巻/P189

 ダンボール箱の影でカサリと軽い音がしたと思ったが、黒かったが、ゴキブリではなく身長180センチ以上の浅利ケイツだった。敵だらけの緊張感あるアトランチス潜入時の一コマ。
 もしも突然、Gを見た時は嫌な顔をせずに、一旦は美少女フィギュアを手にした浅利ケイツのことを思い出してみよう。幾分、心が和やかになる。

◇「未来の再演魔導師による誘導」12巻/P28

 未来から再演魔導師達が《自分のいる時間の流れ》に有利になるように誘導してくる。
 長谷敏司BEATLESSのアナログハックという論理思考に似ているが、魔法を通して、精神や肉体を誘導してくるという点では円環少女の方がディストピア度は高い。

◆「イチゴ味の魔法」12巻/P190

 指先を舐めると甘い、というだけならなかなか微笑ましく可愛い魔法なのだが、これ中学生になっても高校生になってもやってたらかなりやばいよなあ。といいつつ、この場面でも寒川母に見つかってドン引きされたようだが、これにめげることなく今後も仲直りの合図にでもするといいと思う。